「4時間の幸せと、30分の空白」。平凡な自転車乗りの崩れ去る日常
今回は
「自転車楽しくなったら2台目、欲しくなるよね」
という自転車乗りにありがちなお話。
いちおう、前回の続きです。
最初に買った5万円のジャイアントのマウンテンバイク。あちこちにツーリングにでかけ、通学にも使った。パーツもちょこちょこ変えてグレードアップしました。
でももっといい自転車が欲しい。乗れば乗るほど、ココをあーしたい、アソコをこーしたいという欲求が頭をもたげます。乗ればなんらかの判断基準、ものさしが自分の中にできます。最初の1台は安い自転車でいいんだよっていう理由のひとつでもあります(これはまた別の機会に書きますね)。
そうだ根本からグレードアップしなくてはいけない。新しいフレームが欲しい!!! 僕は新車の購入を決意しました。
当時はインターネットはなかったので、公共に出回っている情報源は自転車専門誌やカタログだけ。それらを毎夜のように読みふけって、「コレだ!」と思える1台を探しました。
2台目は10万円の自転車を買ったぜ!
そして、2台目に買ったのが10万円のマウンテンバイクの完成車。細身のクロモリフレームで真っ赤に塗装されたスペシャライズド・スタンプジャンパーでした。まだ学生だった僕でしたが、アルバイト、というより新聞奨学生だったので、そこで得たお金を捻出したのです。
ちょうど20年ぐらい前のことですから、現在の貨幣価値に換算すれば30万円ぐらいに相当すると思います。
U・S・O です。。。でも、気分的にはマジでそんな感じだったんですよ!
ハタチそこそこのセイガクに、10万円の自転車とはそれぐらいの高い価値だったのです。
もうね、いまのレース会場で小学生クラスでカーボンフレームにXTコンポでサスに油圧ディスクブレーキなんて見ると、うらやましさを超えて、妬ましいとさえ思えてきます。
こっちは同じ”しょうがくせい“でも、クロモリフレームだし、フルリジッドでサスなんかないし! Vブレーキでさえもまだ登場してないし! サスペンションとかディスクブレーキなんか、マンモスのカミカゼダウンヒルを走るマシンにつくスペシャルパーツみたいな、そういう時代だったんですよねえ。
今じゃ、こんなに進化してますよ。
これはスペシャライズド・スタンプジャンパーのフルサス、2016モデル。
手前のがスタンプジャンパー・FSRエキスパートカーボン650b
720,000円
奥の白いのがスタンプジャンパー・FSRコンプカーボン650b
499,000円
150mmトラベルの前後サスペンションに加えて、650Bと26インチよりも大きなタイヤで走破性高く、もちろん油圧式ディスクブレーキ。んでもって、軽~いカーボンフレームだ!
トレイルライドはもちろんのこと、マラソン系のレースに最適。ホビーとしてなら、XCレースもDHレースも楽しめますよ。1台だけ自転車をもって旅に出ようと思ったら、こういうバイクがあれば事足りるわけです。マウンテンバイクの場合は、ですけどね。
当時、僕が買ったモデルを現在に置き換えると、このぐらいかな?
出典 スペシャライズド・ロックホッパー コンプ29
116,000円
XCレース事始めには、まずはこれで十分と思えるほどのスペックですね。
話は戻って、10万円の新車を買ったときは、めちゃくちゃ興奮しましたよ!
まずは公園などを走り感触を確かめました。それはそれはもう夢心地のようでした。「うわー、めっちゃ走り軽いし!」みたいな。そしてこれからいろいろいじって、自分の身体になじんでいくんだ。そういう感動と期待に満ちていたのです。
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