1時間で上達を実感できる「はじめてのゴンゾー」スクール その2
下り坂で前転しないためには「頭を低く」
おかっぴ先生とゴンゾーパークのコラボ企画「はじめてのゴンゾー」は、平地でのコーナリング、そしてパンプトラックで身体の動かし方に慣れ親しんだところで、さらに難易度が高いメインコースへ。ここはBMXコースですが、もちろんマウンテンバイクでも走れます。
メインコースはパンプトラックとは違って加速できる直線が長いのでスピードが出やすいので、おかっぴさんからアドバイス。
「斜面を下るときに頭を低くすると、身体全体も低くなり自然とお尻が後ろに下がります」。
「頭と身体が高いままでお尻が前にきてしまうと、前につんのめって前転しやすくなります。一番痛いパターンです(笑)」。
下りで身体がハンドルを超えて前転することって、オフロードでマウンテンバイクに乗っている人なら誰もが経験あるんじゃないでしょうか? かくいう僕もありますよ。これはいいこと聞いた~。
ゴンゾーパークのメインコースはスピードが出やすいので、パンプトラックのように身体を大きく動かして体重移動をしないとギャップで身体が跳ね返されて転倒してしまいます。ここでスクール前半のパンプトラックでの動きが、“準備運動”になっているのだなと感じました。
続いて、ダートジャンプコースに入ります。といっても、いきなりジャンプできるようになれるわけではありません。パンプトラックに近い小さめの起伏を使って「ぴょん、ぴょん」と始めます。
そして隣のレーンの大きめのジャンプへ。ここでは「山の上でピーンと立つように。奥の斜面で落ちるときにグッとかがむように」。大きめのジャンプなので、身体の動きをさらに大きく動かさないといけないんですね。
「伸びて~」「落ちる」。
動作の基本はパンプトラックと同じ。
連続するコーナーのライン取りも伝授!
そして最後にスラロームコースに入ります。ゴンゾーパークのスラロームコースは短いAと長めのBがあって、走ったのはスラロームBのほう。
スラロームBはゴンゾーパークの丘を下るショートダウンヒルになっていて、バンクが大きいからスピードも出やすい。大きなバンクがあるので、コーナーは走りやすいはずですが、初心者にとってはそのバンクが逆に怖く感じられます。
コーナリングに関して「前のタイヤに顔の向きを合わせること。アゴをぐっと下げて、行きたい方向をしっかり見ること」という“おかっぴ直伝”のコーナリング術を、参加者はすでに学んでいます。でも大事なことなので繰り返し教えているんですね。
先のメインコースやダートジャンプコースでも、バンクを何度も走っているので、参加者の不安な様子は見られません。
「バンクは最初からコーナーのイン側に入ってしまうと、バンクを上りながら曲がることになるので、曲がりきれずにコースアウトしてしまいます。バンクの外側から入って、前のタイヤが通るラインを顔でなぞるようなイメージで進む方向を見るようにしましょう」。
さらに連続するコーナーでのライン取りのポイントも伝授されました。
「コーナーが連続するところは“出口”から考えます。最後のコーナーの一個手前のバンクを最後まで大外側を使うと、次のコーナーに入りにくくなります。だからこのバンクは途中から早めに降りて、最後のコーナーを曲がりやすくします。こんなふうに、ライン取りは出口から考えるんです。これは山道でも同じですよ」。
んん~。これはかなり内容が深い解説なんじゃないでしょうか。こんな濃い内容で「はじめてのゴンゾー」は終了です。取材をしているだけで、お腹いっぱいの内容でした。一緒にスクール受けたかったな~。
予定の1時間をオーバーして、1時間15分ほどの「はじめてのゴンゾー」。コーナリングやパンプトラックの基本動作から、実際のコースでの走行など、短時間でかなり充実した内容のスクールなのでした。
「スキルアップライド」は個別指導の2時間コース
しばしの休憩をはさんで、次は「スキルアップライド」です。「スキルアップライド」も基本的な内容は同じ。ただし、「スキルアップライド」は倍の2時間という時間なので、ほぼ同じ内容であってもそれぞれのセクションで練習できる時間がたっぷりありますね。また、「はじめてのゴンゾー」から「スキルアップライド」へと、両方のスクールにエントリーしている人も多くいました。
「スキルアップライド」は個別レッスンにも応じてくれます。おかっぴさんが走りを見てアドバイスしてくれるので、自分で試行錯誤しなくてもいいのです。自分で考えるということは大事だけど、我流のまま悪いクセが身につかないうちに的確な指導をしてもらえます。これは上達への近道ですね。
ある参加者は「本を読んで一人で練習しても、それが正しいのかどうか、自分では分からない」と言っていました。それは本だけでなく、ネット上の情報、動画などでも同じですね。正しいかどうか、判定や指導をしてくれる人がいないので。スクールのいいところは「良し悪し」を教えてくれることだと、改めて感じました。
“最後の一本”は乗らない、そのココロは?
さて、「はじめてのゴンゾー」「スキルアップライド」、どちらともおかっぴさんは、必ずシメの言葉がありました。それは「最後の一本は乗らない」ということです!
「『これで最後の一本にしよう』と思ったら、もう乗らないでください。最後の一本の転倒率って異様なほどに高いんです。最後の力を使い切ろうとか、カッコいいところを見せようとか思って、ヘンに力んでしまうらしいんですよね。それは僕自身も同じで、普段ならやらないようなことでケガしてしまうんですよね。だから『最後の一本』だと思ったら、もう乗らないでオシマイにしましょう」。
この心がけって、おかっぴさんが言うようにホントに大事なことだと思います。心当たりがあるという人も少なくないのではないでしょうか? あっ、ちなみに僕はトレイルを走り始めて10秒と経たずに派手にこけて鎖骨骨折したことがあります……。たしかに、一緒に走っている人にいいところを見せようみたいな気持ち、ありましたね(汗)。最後じゃなくて、初っぱなからでしたけどね。最初と最後、浮かれていたり気がゆるんでいたりするものです。
そういう意味でも準備体操や平地でコーナリングの練習をすることも、実は重要なんだろうな~っと感じたわけです。
スクールだからジャンプだって安全に挑戦できる!
スクール中におかっぴさんが大丈夫と判断すればジャンプにも挑戦できるし、既に飛べる人はさらに伸ばす練習もできます。
「ギャップに対して身体が遅れずに前に進んでいるかどうかが僕の判断基準ですね。自転車を持ち上げる動作のジャンプだと、大きいジャンプに行ったときにひどい転び方になることがあります」ということです。
「スキルアップライド」ではライダーの様子を見たおかっぴさんが、良くなかったところの理由や対策も教えていました。コース上で反復練習しながらの個別指導なので、上達も早いはず!
乗り方を教わらずにコースをいきなり走る前に、スクールで安心な走り方を教わってから良いイメージを身体に覚えさせてコースを走るといいですね。良い準備運動にもなるし、実際のコースでもいいイメージを実践しながら走れますからね。
ゴンゾーパークで走るのが初めてという人だけじゃなく、「初めてマウンテンバイクに乗る」という人や「一人で練習してるけど、ちゃんと走れているのか自信がない」という人にも、オススメのスクールですよ。
次回の「はじめてのゴンゾー」と「スキルアップライド」は、7月12日開催予定です。
おかっぴさんのウェブサイト route-okp.com
ゴンゾーパーク gonzopark.com