マウンテンバイクの「エンデューロ」とは? UCIは「楽しみに重点を置く」と言っております。

マウンテンバイクのエンデューロレースはヨーロッパを中心に人気が高く、エンデューロワールドシリーズ(EWS)としてシリーズ戦で大会も開催されています。

「エンデューロ」とは? ということについて書こうと思い、エンデューロの競技規則を確認したところ、UCI(国際自転車競技連合)が競技規則として定めていました。その和訳をJCF(日本自転車競技連盟)の競技規則(PDF)で確認できます(EWSのルールはこちら)。

リンク先競技規則PDFの49ページ目からエンデューロの詳細な競技規則があります。

 

そのなかに、競技規則としてはユニークな表現が見られました。

Liason stages can include either mechanical uplift (e.g. chairlift), pedal powered climbs or a mixture of both. The emphasis of the track must be on rider enjoyment, technical and physical ability.

中継ステージは,機械式リフト(例えばスキーリフト),ペダルをふむ登坂,または両方の混合を含むことができる.トラックは,競技者の楽しみ,技術,そして身体的な能力に重点を置かれなければならない.

レースなのに「トラックは,競技者の楽しみ,技術,そして身体的な能力に重点を置かれなければならない.」。「競技者の楽しみ」ですよ。これは競技規則としては画期的なものではないかと感じました。

 

日本のMTB「エンデューロ」シーンは、2014年8月の乗鞍MTBエンデューロから始まったばかりです。


2014年8月の乗鞍MTBエンデューロ公式ムービー

 

永田隼也選手のインタビューからもわかったことですが、現状では日本のエンデューロレースは、世界のエンデューロシーンほどハードルが高くはありません。それゆえに、ホビーとしてレースを楽しみたいファン層を広く受け入てくれている貴重なイベントでもあります。

大会参加者のインタビューでも「普段はトレイルライドがメイン」だったり「シクロクロスがメインだけど仲間に誘われて参加した」という声もありました。ファットバイクも参加していたりと自由な雰囲気もあります(そのレポートの様子はこちら)。

今後、エンデューロ大会がさらに普及して、ホビー&レジャー層を受け入れつつ、クラスによってステージ構成を変えるなどの工夫で、より本格的なトップクラスのエンデューロレースができることを期待したいものですね。

あと、「中継ステージは,機械式リフト(例えばスキーリフト),ペダルをふむ登坂,または両方の混合を含むことができる.」とあります。中継ステージ(リエゾン)はリフトが使われる場合もあるってことですね。これは知らなかった。リフトも使えれば、下りがもっとウハウハになりますね~。

 

ENS第2戦 乗鞍のSS1。UCIが言うところの「楽しみ」を、ホビーライダーにもわかりやすく表現していたコースだと言えるでしょう。

ENS第2戦 乗鞍のSS1。UCIが言うところの「楽しみ」を、ホビーライダーにもわかりやすく表現していたコースだと言えるでしょう。

 

ほかに、エンデューロらしさが表れている部分を競技規則から抜粋してみます。

 

An enduro course comprises varied off-road terrain. The track should include a mixture of narrow and wide, slow and fast paths and tracks over a mixture of off-road surfaces. Each timed stage must be predominately descending but small pedaling or uphill sections are acceptable.

エンデューロ・コースは多様なオフロード地形から構成する.走路はオフロード路面の混合の上に,狭隘,広幅員,低速と高速の細道と走路の混合を含むべきである.各計時ステージは主として下降路でなければならないが,多少ペダルを踏むか,登坂のセクションは容認できる.

スペシャルステージは下り基調であるということですね。

 

あと、機材面では……

Only one frame, one front and rear suspension unit (fork/rear shock) and one pair of wheels can be used by a competitor during a competition. Frame, suspension and wheels will be individually marked by the officials before the start of the race and checked at the finish. Broken parts can eventually be replaced upon approval with a 5 min penalty.

1 競技会中において,1 つのフレーム,1 組の前後のサスペンション・ユニット(フォーク/後部ショック), および 1 組の車輪のみを 1 競技者が使用することができる.フレーム,サスペンションおよび車輪はレースのスタート前に役員によって個々に印を付けられ,フィニッシュにおいて検査される.破損部品は,5 分のペナルティを伴う承認により,交換することができる.

ステージごとにバイクそのものの交換ができないのはもちろんのこと、ホイールやサスペンションの交換も原則としてできないということですね。そして、破損などでやむを得ず交換する場合は5分のペナルティが課せられると。

 

MTBの世界では周回コースをぐるぐる回って、一定時間で周回数とタイムを競うエンデューロは「耐久レース」または「エンデュランス」として区別しています。世界的には「エンデューロ」レースが定着しており、UCIが競技規則を定めている以上は、日本の自転車業界も「エンデューロ」や「耐久レース」の呼称について足並みが揃うといいですね。というか、揃えてほしいものですね。

それはそれとして、レースなのに「楽しみ」に重点を置くというエンデューロレース。マウンテンバイクってやっぱり楽しいもんだよねぇと思ったのでした。