乗鞍エンデューロ参戦レポート その2「レーサーもトレイルライダーも一緒に楽しめる」

「乗鞍MTBエンデューロ ENS 2015シリーズ Round-2」
SS2 & SS3 編

 

フルフェイス&ハーフシェルにもなる注目のヘルメット

さて、SS1を終えて、SS2に向かいます。このリエゾンは標高差 約280m、距離約6.1km(GPSログより)でした。次のスタートまで約50分程度あるので、上りとはいえそれなりに時間的な余裕はありますね。

リエゾンの上りで、あるライダーの装備に注目。ヘルメットの半分を腰にぶら下げていました。ひとつでフルフェイスにもハーフシェルにもなるというベル・スーパー2Rというヘルメット、そのチンガードが腰からぶら下がっていたのです。

話を聞くと、この冬にMTBライド中に顔着をしてフルフェイスヘルメットの重要性を感じたそうです。フルフェイスとハーフシェル、2つのヘルメットを用意して、各SSのスタート前にかぶり直すのもアリですが、荷物は多くなるしちょっと面倒でもあります。このヘルメットなら荷物も減るし、普段のライドでも場面に応じて切り替えられるのでいいですね。

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「顔着して眉間も切ったんですよ」。今回はヘルメットもフルフェイスになるものをチョイス。ゴーグルも用意していました。

顔着したときはハーフシェルのヘルメットにサングラスの組み合わせだったので、眉間も切ってしまったそうです。そこで今回はゴーグルも用意。ゴーグルであれば顔面に触れているのは厚手のパッドで、レンズの面積も広いのでプロテクション効果も上がります。ハーフシェルタイプのヘルメットでも、サングラスではなくゴーグルを用意しておくといいですね。

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リエゾンは各所に案内の矢印があります。

あっ、写真整理していて気づいたけど、上写真のおふたりも同じヘルメットだ。
ベル・スーパー2R、人気がありますね。

この動画を見ると、ヘルメットを脱がなくてもチンガードを着脱できるみたい。まだ現物を被っていないので、こんどチェックしてみようっと。

エンデューロレースは世界的にも人気が高まってきているので、これからはこのタイプのヘルメットが増えてくるのでしょう。ハーフシェルとして使っても、後頭部や側頭部のプロテクションが高いという点もポイントですね。

ハイスピード&コギ区間のSS2

さて、SS2ですが、ここはストレートが多くスピードが出やすい区間です。それでいて、路面のギャップや岩が多いので、パンクしやすいステージですね。

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ストレート区間で漕ぎまくる!

さて、SS2ですが、ここはストレートが多くスピードが出やすい区間です。それでいて、路面のギャップや岩が多いので、パンクしやすいステージですね。ここではフルサスが圧倒的に有利でした。僕が乗ったのはコナ・プロセス153というモデル(詳細はこちら)。昨年の乗鞍エンデューロに参加したときは、29インチホイールのハードテイルに乗りました。それに比べると、150mmクラスのサスペンションをもつフルサスは、路面のギャップが大きめ、岩がゴツゴツでているSS2のコースでも思いっきり走れました。それにギャップがあっても漕げますからね。

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コナ・プロセス153 386,640円(税抜) 写真はMサイズ

コナ・プロセス153は、前160mm、後153mmトラベルのフルサスモデルです。27.5インチホイール、ロングホイールベースで安定感が高く、エンデューロレースにはこれ以上ないというぐらいにピッタリ合うバイクでした。特にハイスピード区間のSS2はゴキゲンでした。

路面がスムーズでコーナーとコギを繰り返すSS1や、高低差が少ないSS3は、もうすこしサスのトラベル量が少なめでコギ重視のコナ・プロセス134のようなモデルがオススメですね。

プロセス153は、トレイルライドやホビー的なダウンヒルレースもこれ一台でオッケーというぐらいよく走ります。下り系を中心に、幅広くカバーするオールラウンダーですね。

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ギヤは流行のフロントシングルではなく、2×10速のギヤ構成です(コンポはスラム・X7シフター、X9 Type2のスタビライザー付きリアディレイラーなど)。僕のような非力なライダーには、フロントダブルギヤがありがたいのです。

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長い上りでは圧倒的にロックアウト付きのリアサスがラクですね。特にリエゾンで「スタートに間に合わない!」なんて時に立ちコギになるときは圧倒的にラク! 上りでもゆるゆる走れば、153mmというサスの長さでも、コギのロスは感じません。ロックアウトといっても適度に動いてくれるので、オフロードの上りでもタイヤが路面をしっかりとグリップしてくれます。

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あと便利なのがドロッパーポスト。サドルの高さを走りながら変えられます。

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操作はグリップ脇のリモートレバーで。サドルの根本にあるレバーで操作するドロッパーポストもあります。その場合はレース中に走りながら操作する余裕はないので、エンデューロレースであれば、このようにリモートレバー付きがいいですね。

トレイルライドであれば止まってレバー操作する余裕があるので、リモートレバーじゃなくてもいいと思います。ハンドルやフレーム周りのワイヤー処理に悩むこともないですしね。でも、「走りのリズム、流れが途切れない」という意味では、リモートレバー付きが圧倒的に有利。そこはトレイル系ライダーでも悩むところです。

ドロッパーポストが登場する以前は、下りでサドルを下げるという行為が「気持ちのスイッチを入れ替える」という儀式的な面もあったなと思います。それが適度な緊張、安全にもつながるのではないかと思うわけです。それがドロッパーポストの登場で、走りのリズムが変わったという点において画期的なパーツだと言えますね。

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人気上昇中のファットバイクでエントリー。

あと、意外とファットバイクの参戦も多かった。ファットバイク人気が高まっていることがエンデューロの大会でも感じられました。ハイスピード区間をファットバイクで疾走するのも楽しいんですよね。サイドグリップが高いので、コーナーも安心です。

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アトランタ五輪代表のXCレーサー、MTBクラブ安曇野の小林可奈子選手もエンデューロに参加。

現在もレースの第一線で活躍している小林可奈子選手(MTBクラブ安曇野)も、モンドレイカーのオールマウンテンバイク FOXY ALLOY XRで疾走! トップクラスのレーサーでも「楽しい!」というほど、エンデューロはMTBの原点回帰的な面白さがありますね。

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こんな感じでシケイン的にコースレイアウトされています。

SS2は直線的なコースレイアウトですが、途中でコースを左右に振ってシケイン状にしてあるので、勢いよく突っ込みすぎるとけっこうなタイムロスになってしまいます。シケインの手前でほどよく減速しつつ、コーナー出口からの再加速をスムースに。と……言いたいところですが、レース中となるとついつい突っ込んでしまうんですよね。

SS3のコースは泥沼化で難易度アップ!

そしてSS3。ここが一番の難所でした。レース前日未明までの雨で、コースの一部は「田んぼ」と形容されるほどのドロドロ状態。タイヤがまるまる埋まってしまうところもあったほど。見た目に泥が浅そうでも油断できません。前日よりもコース状況は良くなりましたが、それでもライダーを苦しめる状況には変わりません。

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タイヤが沈み込みにくいはずのファットバイクも、ぬかるんだコースに苦戦。脇のラインを選んでいました。

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失速してしまうと押すしかない!

高低差が少なくペダリング区間が多いので、泥で止まってしまわないように、なるべく失速しないように走りたいところです。一度足を着いてしまうと、バイクから降りて押すしかないので、大幅にタイムロスしてしまいます。

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水たまりの手前でフルブレーキング、からの前転! でも受け身は完璧かも~。

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コースの雰囲気は最高です! 雪解け水の清流の雰囲気がいいですね。
トレイルライドであれば最高のシチュエーションですね。レース中は見ている余裕がないのが残念なほどです。

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30秒間隔でスタートしますが、コース状況で難易度が高くなったため、ライダーの間隔が詰まってしまう場面も多く見られました。同時スタートではないので、前後のライダー同士で直接競っているわけではないのですが、そこはレースなのでやはり「負けたくない!」と思ってしまいますね。でもトレイルライドと違って、堂々と“競争”できるのがレースの良さなので、思いっきり楽しめます。

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ゴール目前! 最後まで全開で走ります。

走っているのは各ステージ3~4分前後と短い時間なのに、走っているときはとにかく長く感じました。自然とのコミュニケーションが濃密だからでしょうか。短時間でも満足度が高いのがマウンテンバイクですね。

ここでちょっと時間を戻して、レース当日の朝。

コースを走行して確認できるのは前日のみ。当日朝は歩いてコース状況を確認します。前日に走っていても、油断はできません。試走したライダーの轍や天候によってコース状況は変わってくるからです。オフロードを走るマウンテンバイクはそれぐらい繊細にいろいろと考えることが多いのです。自然のなかで行われるアウトドアスポーツですからね。

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朝からコースウォーク、ライダー同士で情報交換します。

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コース状況から最適なラインをじっくりと見極める。これもレースならでは。

上の写真はイベント2日目朝のコースウォークの様子。ライン取りのイメージをつくります。今回のコースのように、雨によって難易度が上がると、下見の重要度が増します。それに今回はコースコンディションの影響で、レース当日はゲートの一部が変更されたことで、その箇所のベストラインも変わりました。そこもチェックポイントだったと言えるでしょう。

また、コースの様子が初日と比べてどのように変化しているのかもポイント。他のライダーとの情報交換も楽しみのひとつです。他のライダーがどこを見ているのか、僕も勉強になりました。

総合優勝は永田隼也選手!

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入賞者全員で記念撮影。

そしてレースは滞りなく終了!

総合優勝はエンデューロワールドシリーズの経験もあるダウンヒルライダー、永田隼也選手(AKI FACTORY TEAM)。

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総合100位のライダーに、FOXサポートライダーからFOXの最新フォークがプレゼントされるという贅沢!

マムアンドポップス様からの提供で、エンデューロに最適なFOX36シリーズのハイエンドサスペンションが総合100位のライダーにプレゼントされました!

 

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AAクラス

AAクラス
1位(総合1位) 永田隼也 AKI FACTORY 0:07:20
2位(総合2位) 井手川直樹 AKI FACTORY 0:07:28
3位(総合3位) 黒沢大介 A&F SANTACRUZ 0:07:43

AAクラスは昨年エンデューロワールドシリーズにも参戦した永田隼也選手が優勝。インタビュー&バイク紹介は後日別ページにてご紹介します。

 

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Aクラス

Aクラス

1位(総合5位) 宇津 孝太郎 カメクリコロッケ小川輪業 0:07:53
2位(総合6位) 兼岡 邦旭 FOCUS/WTB 0:07:54
3位(総合7位) 佐々木 博 重力技研/URGE/drop8 0:07:55

10代のダウンヒルライダーとして急成長中の宇津孝太郎選手のコメント。

「3週間前に開催されたアキグリーンカップのエンデューロでも優勝しました。エンデューロがダウンヒルと違うのは、今回は3ステージあったので、1ステージでミスをしても残り2ステージで取り返すチャンスがあるということでしょうか。もう一回Aクラスで優勝したら、トップレーサーと同じAAクラスに上げてもらえると(大会プロデューサーの)内嶋さんに約束してもらえました」。

 

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Bクラス

Bクラス
1位(総合4位)  井戸 樹 NBS 0:07:47
2位(総合11位) 早乙女 篤 Ride to Fun 0:08:22
3位(総合13位) 三谷 賢一 ThinkRACING TEAM 0:08:32

参加者が多く速いライダーも多い激戦区のBクラスで優勝した井戸樹さん。30代クラスでも優勝しました。

「エンデューロは昨年の乗鞍大会にも参加。普段は長距離の王滝100kmとか、アキグリーンカップとか、そういうホビーレースをメインにレースも楽しんでいます。今日はコギが重視のコースだったんですが、体力には自信があったので、いい成績が狙えそうかなとは思っていました。普段はトレイルライドがメインで、上って下ってまさにエンデューロみたいなことをしています」。

 

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Cクラス

Cクラス
1位(総合49位) 北島 浩一 HAPPY RIDE 0:09:10
2位(総合50位) 丹羽 修司 0:09:12
3位(総合51位) 小山 和宏 DayDownBicycles 0:09:13

Cクラスで優勝した北島浩一さんのコメント。

「エンデューロが楽しくて第1戦の富士見高原大会から出ています。ぼくみたいなビギナーでも楽しめるのがエンデューロのいいところですね。普段はトレイルライドがメインです」。

 

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女性クラス

女性クラス優勝
相野田 静香 club grow 0:09:19(総合58位)

XCエリート女子選手でもある相野田静香選手。「エンデューロは初めてだったのですが、緊張せずに楽しんで走れました」。

 

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30代クラス

30代クラス優勝
井戸 樹 NBS 0:07:47(総合4位)

 

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40代クラス

40代クラス優勝
森本 亮 ADAM’S SPRAY 0:08:17(総合10位)

「今回のエンデューロでは、身内レースに勝てたのが良かったです。普段はダウンヒルに出ていて、今年のシーズン途中からエリートクラスに上がります」。

 

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50代クラス

50代クラス優勝
佐藤 英夫 オンザロード 0:08:59(総合38位)

「いつもはシクロクロスに出ています。仲間から誘われて、初めてエンデューロに出てみました。シクロクロスと違うのは、皆さんが下りで速くてビックリしたことです」。

 

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60代クラス

60代クラス優勝
尾形 俊雄 try-j/26ism 0:11:30(総合144位)

「エンデューロは2回目です。SS3がキツかった。ダウンヒルと違ってエンデューロは持久力、コギも必要になりますね。今回はGTのオールマウンテン系のバイクで走りました」。

 

優勝&入賞したみなさん、おめでとうございます!

いろんなジャンル、年齢層のライダーがエンデューロを楽しんでいましたね。マウンテンバイクはトレイルライドやレース、それもクロスカントリー、ダウンヒルなどいろんなジャンルや楽しみ方がありますが、それらを微妙なさじ加減でレースとして成立させているのがエンデューロの魅力じゃないかな~っと思います。

参加&サポートの皆様、ありがとうございました!

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