ENS乗鞍エンデューロ参加レポート その1 「レースはスタート前から始まっている!」

「乗鞍MTBエンデューロ ENS 2015シリーズ Round-2」
スタート&SS1 編

乗鞍高原でマウンテンバイク「エンデューロ」レース開催

6月6~7日に、長野県乗鞍高原で開催されたマウンテンバイクイベント「乗鞍MTBエンデューロ ENS 2015シリーズ Round-2」に行ってきました!

今回のイベントは「エンデューロ」というレースです。ざっくり言うと、上りは自走で移動して、主に下りの区間でのタイムを計測するステージレースです。タイム計測する区間はスペシャルステージ(以下SS)といって、今大会では3区間が設けられました。

ちなみに昨年8月末に、同じく乗鞍にて日本初開催となったエンデューロのプレ大会では2区間でした。そして今回は、SS3が追加されています。また、SSの順番も変わっていています。SSの順番が変われば、全体でのペース配分も変わってきますね。そのことを筆者はSS1走行後に思い知ることになるのですが……。

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スタート時の様子。30秒ごとのスタートなので、の~んびりした雰囲気です。

各SSを繋ぐ区間はリエゾンといいます。リエゾンは選手が移動する区間です。リエゾンではタイム計測はしませんが、与えられた時間内に移動してスタート時間に間に合わないといけません。スタート時間に間に合わない場合は……今大会の場合は、遅れてスタートはできますが、遅れた時間がそのままタイムに加算されます。

ENSは「エンデューロ・ナショナル・シリーズ」と銘打っており、全5戦のシリーズ戦です。今大会はその2戦目。シリーズ戦なので、全国各地をツアーするような楽しみもありますね。各順位に与えられるポイントはこちら(PDF)。今大会には、定員200名に対して、全クラス合わせて174名が申し込み、159名の選手が出走しました。

また、ENSに関連してシリーズランキングポイントが付与される公認大会「野沢温泉スキー場MTBエンデューロ」も8月1~2日に開催されます。

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トップライダーを擁するアキファクトリーチームのブース。プロ選手の特大バナーの前で記念撮影。

全行程で12km弱です。

コースのおおまかなイメージは ↓ こんな感じ。試走やレース以外のときに走行することはできません。勝手にコースを走行するのは厳禁ですよ。

大会は2日間あり、タイムを計測する本番のレースは2日目です。1日目は試走できますが、2日目は試走できません。コースを試走しておけば、ライン取りのポイントや走りのリズム感もつかめます。

コースマップと高低差。

コースマップと高低差。

各コースを走行したGPSログから、だいたいの距離と高低差を出してみました。

リエゾン1  距離 約500m   高低差 約7m
SS1     距離 約950m   高低差 約80m
リエゾン2  距離 約6100m  高低差 約280m
SS2     距離 約1300m  高低差 約100m
リエゾン3  距離 約1600m  高低差 約40m
SS3     距離 約1000m  高低差 約30m
リエゾン4  距離 約700m   高低差 約5m

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主な注意事項。

「スタート5秒前からスタート時間まで片足を地面から離してはならない」というルールが設けられています。スタート時に両足をペダルに乗せるスタンディングスタートはできません。フライングスタートになりがちなのを防止するためということでした。

受付後に自分のスタート時間をゼッケンに書きます。

受付後に自分のスタート時間をゼッケンに書きます。

 

スタートタイムを書くとワクワクしてきますね。シリーズ戦なので、ゼッケンは固定ナンバーです。

スタートタイムを書くとワクワクしてきますね。シリーズ戦なので、ゼッケンは固定ナンバーです。

エンデューロレースは複数のステージを並行して運営するのでスタッフが多数必要である、ということにも関係してきます。ですから、参加者がちょっとだけ運営に協力します(この場合は、スタート時間を自分で把握することと、フライングスタートをなくすこと)。これによって、レースの公平性を保ちながら簡略化した運営を行うシステムを構築することで、全国各地でより多くのエンデューロ大会を行えるようになるからです。将来的にはさらに開催地が増えてほしいな~っと願っています。

レースなのに和やかな雰囲気でスタート

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スタート台でMCのアリーさんと平野由香里さんからインタビューを受ける永田隼也選手(AKI FACTORY)。

大会メイン会場となったいがやレクリエーションランドのステージがスタート地点です。選手は30秒間隔でステージに上り、インタビューを受けてからスタートします。なんだかプロライダーになったような気分! ここからスタートしてリエゾンを経て、最初の計測区間、SS1に向かいます。

スタート! 写真はAクラスで優勝した宇津孝太郎選手(カメクリコロッケ小川輪業)。

スタート! 写真はAクラスで優勝した宇津孝太郎選手(カメクリコロッケ小川輪業)。

コースはそれぞれに特徴がありますが、多くのライダーが口を揃えて「楽しい」と言っていたのが、このSS1です。ここはもととも中・上級者向けに作られたマウンテンバイクコースで、バンクが設けられたコーナーが連続します。

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スタート直後からバンクが連続。マウンテンバイカーなら大好物なシチュエーション!

 

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リアサスがないハードテイルでも楽しめます。写真の西田岳さん(SevenArrows 重力技研)はかなり速いライダーですけどね。

それに加えて、尾根筋の林間に設けられた、自転車一台分の狭いコース(シングルトラックといいます)を組み合わせたのがSS1の特徴です。ここで自然の地形をうまく活かしたアップダウンがあります。

このステージは下り中心ですが、一部でテクニックを必要とする上りがありました。黒土で当日は水が抜けきっていないので一部で滑りやすく、さらに大きな石が埋まっていて、タイヤ幅一本分のラインしかない、なんて状況もあり、なかなか難しい。乗ったままで上りをクリアできると内心「やったぜ!」です。

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シングルトラックの爽快さは格別(写真は試走時)。

連続するバンクコーナーは「やったぜ」と思うときもあれば、「あ~ミスった~」なんて思うときも。そんな喜怒哀楽のようなものが、SS1のわずか3分程度の時間で交互にやってきます。悔やんでいるヒマはありません。冷静に全力を出し切るだけです!

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直線とコーナーの連続。試走の時は楽しいけど、レースになると全力なので楽しいけどキツい!

ちなみに僕はというと、SS1でめちゃくちゃ息があがりました。標高1400m弱という高地であることに加えて、ちゃんとアップしていなかったのです。ステージからスタートして、SS1のスタート地点までのリエゾンは、わずか500mの距離でほぼ平坦です。しかも「あ~高原サイクリング気持ちいいな~」なんて考えながら、湖畔の脇を呑気に走っていたのです。そんなんでいきなりスタートダッシュですから、呼吸が整うわけがありません……。脚もパンパンで、立っているのもツラいほどでした(こういう時にシートポストを上下に動かせるドロッパーポストが便利)。

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アップなし、バタバタのリズムで走る筆者。。。

ゴール後に、大会プロデューサーの内嶋亮さんとそのことを話したら「そーだよね。わかっている人はちゃんとアップしていたよ~(笑)」と言っていました。さすが、元ダウンヒルチャンピオンは運営しながらも、ちゃんと見ていますね。そういえば、ダウンヒルレースだとトップライダーはスタート地点までサポート隊がローラー台を持ち込んで、しっかりアップしてますよね。トレイルライドだと上って下るのが普通なので、徐々にアップできているという感じです。準備運動はどちらも必要ですけどね。

レースとトレイルライドの中間的な雰囲気があると言われているエンデューロですが、やっぱり「レース」なんですよね。SS1走行後、息も絶え絶えに地面に倒れ込んで、なんか試走の時と違うな~っと思っていましたが、単純に試走の時はのんびりと走っていたからなのでした。

これから他の大会に参加する方も、コースレイアウトとプロフィールからアップやペース配分のイメージをふくらませると、より充実したレースになると思います。レースは準備が大事、本番前にレースは始まっている、ゴールから逆算して考えよう。……過去に雑誌での取材記事で、トップレーサーに教わってはそんなことも書いてたっけ~なんて、いま思い出しました(笑)。書いておかないとまた忘れそうです。

というわけでSS2以降につづきます。。。

ENS エンデューロ ナショナル シリーズ